すずたつからのお知らせ

令和2年東村⼭市議会9⽉定例会⼀般質問通告書及び議事録

一般質問通告書

上記の件について、下記のとおり質問したいので、会議規則第62条第2項の規定により通告します。

令和2年8月21日議席番号4番
東村山市議会議長あて質問者 鈴木たつお

1. 東村山市情報推進化の考え方・体制について

21世紀に入り20年が経過し、情報通信技術(ICT)は 、私たちの生活環境の中に定着し、日常生活に欠かせない存在となっている。
企業だけでなく、行政・教育・医療分野において環境整備が進められ、新たな価値の創出そして、利便性や効率性の向上に貢献している。
一方、標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃など情報通信の安全性を脅かす事案や、災害発生時のオーバーロードよるトラフィックの課題が明らかとなり、情報セキュリティ、個人情報保護の確保、システムやネットワーク構成等システムのあり方が問われている。
今回の一般質問では、当市の情報推進の考え方、体制等について質問する。

①庁内において新しいシステムが順次開発され運用されているが、セキュリティレベルや可用性、拡張性などのチェック項目やアセスメンの手順について伺う。
また、予め定められた承認基準と運用可否を最終判断する責任者が誰なのかについても伺う。

②昨年の市議会 12月定例会においてサーバーのトラッフィック障害について指摘があった。
市側からは、トラフィックが最大一日当たり約 40,741ページビューだったとの答弁があった。
通常、新規にシステムを稼働させる前にピーク時に想定される負荷をかけ、性能や耐久性を計測する「ロードテスト」や高負荷をかけて実際に業務に耐えられ
る処理能力があるかどうかを判断する「ラッシュテスト」は実施していなかったのかについて伺う。
また、トラッフィック障害対策として CDN を導入するとのことであるが、ネットワークのボトルネックが原因とも考えられる。
また、現在のネットワークの契約容量について伺う。

③平成 14 年 7 月に当市は、「東村山市情報セキュリティ基本方針」、対策基準と実施手順を定めている。
仮に情報漏洩した場合の責任者が誰なのかについて伺う。

④第三者がシステムファイルやデスクトップ環境を不用意に変更できないように、個々に機能を制限する機能のことをシステムポリシーと呼ぶが、当市はシステム
ポリシーを定めているのかを伺う。
また、庁内のシステムを対象に、内部および外部に対して信頼性が保たれていることや、市政運営に役立っていることなどを評価するシステム監査が必要である。
システム監査に関する市の考え方を伺う。

⑤CISO(Chief Information Security Officer:最高情報セキュリティ責任者)もしくは CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)の該当する職員の選任について市長へ伺う。

⑥福島県磐梯町(ばんだいまち)において、昨年11月1日、地方自治体として初めて、人に優しいテクノロジーも活用して誰もが自分らしく生きられる共生社会を実現するために、CDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を選任した。
磐梯町以降、東京都、神奈川県等でも CDO を選任している。
当市における CDOの必要性について市長の所見を伺う。

⑦システム企画は行政でも重要な位置づけと考える。システムは運用と企画は先行き分離させ、来るべき情報化社会に向けて対応ができる新設部門を検討すべきと
考える。
今後 IT 全般のグランドデザインを行うことや、部門創設もしくはチーム発足することについて提案するが、市長の所見を伺う。

以上

質問内容(議事録)

○4番(鈴⽊たつお議員)

東村山市情報推進化の考え方・体制についてお伺いいたします。
21世紀に入り、ICTは私たちの生活環境の中に定着し、日常に欠かせない存在となっております。
企業だけではなく、行政・教育・医療分野において環境整備が進められ、新たな価値の創出、そして利便性や効率性の向上に貢献しております。
一方、サイバー攻撃など情報通信の安全性を脅かす事案や、災害時発生のトラフィックの課題が明らかとなり、情報セキュリティー、個人情報保護の確保、システムやネットワークの構成等のシステムに在り方が問われております。

質問の1つ目でございますが、庁内において新しいシステムが順次開発され運用されていますが、セキュリティレベルや可用性、拡張性などのチェック項目やアセスメントの手順についてお伺いいたします。
また、定められた承認基準と運用可否を判断する責任者が誰なのかについてもお伺いいたします。

○経営政策部長(間野雅之君)

新たなシステムを導入する際には、担当所管課がシステム導入によります業務運用や効果等を検討した上で、システム化要望を情報政策課のほうに提出することとしております。
この要望の資料を基に、情報政策課が担当所管へのヒアリング等を行い、導入予定のシステムの対象業務や機能、そして可用性、拡張性、セキュリティレベル、導入・運用に係るコスト、導入後の効果等を調査いたします。
その後、市長を委員長とします東村山市情報化推進委員会におきまして、調査結果を諮り、今後の予算化等を含めた導入方針について決定する流れとなっております。
なお、承認基準につきましては、導入によります費用対効果等、先ほども申し上げました調査の結果を踏まえまして総合的に判断しているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

再質問になりますけれども、さきの答弁でCIOは副市長とのことでしたが、副市長はどのように承認プロセスに関わっているのかお伺いできますでしょうか。

○経営政策部長(間野雅之君)

各課からシステム化要望につきましては、市長を委員長とする東村山市情報化推進委員会に調査結果を諮りまして、今後の予算化等を含めた、先ほどのように、導入方針について決定する御説明をさせていただきましたけれども、東村山市情報化推進委員会には、副市長も副委員長として参加しておりますので、最高情報責任者であるCIOの立場から御意見を付すなど、意思決定に付与しているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

2つ目になりますけれども、昨年の12月定例議会においてサーバーのトラフィック障害について指摘がありました。市側から、トラフィックが最大1日当たり約4万ページビューだったとの答弁がございました。
通常、新規にシステムを稼働させる前に、ピーク時に想定される負荷をかけ、性能性や耐久性を計測するロードテストや、高負荷をかけて実際に業務に耐えられる処理能力があるかどうかを判断するラッシュテストは実施していなかったのかについてお伺いいたします。
また、トラフィック障害対策として、CDNを導入するとの答弁がございましたが、ネットワークのボトルネックも原因とも考えられる可能性があります。また、現在のネットワークの契約容量についてお伺いいたします。

○経営政策部長(間野雅之君)

市のホームページで使用しておりますウェブサーバーにつきましては、標準構成構築時に当市のサーバー等と同等の環境をつくりまして、擬似的にアクセスを発生させまして、そのデータ量がネットワーク回線を支障なく通過できるかなどの負荷テストを実施していると、システム事業者より聞いております。
また、ネットワーク回線を通過するデータ容量につきましては、平時の当市におきましては、アクセス数の多い時間帯でも、実績はおおむね3から4Mbpsとなっておりましたので、契約容量につきましては、優先利用が10Mbps、共有が100Mbpsと、一定の容量は残しているところではございます。

○4番(鈴木たつお議員)

ロードテストを事業者のほうにやっていただいているというのはよく分かりました。
ただ、実際に障害が起きたというのは事実でありまして、やはりここに関しては、ロード負荷、どれだけかけるのか。
現在その3倍なのか4倍なのか、私はそこを把握しておりませんけれども、業者にもう少しその負荷の基準を高めるなりして、少しその辺は、もう少し工夫されてはいいんじゃないかなというふうに思います。
これは再質問になりますけれども、災害時に、その通常時、いわゆるウェブサーバーへのアクセスというのは何倍ぐらい、分かればで結構、おおよそで結構なんですけれども、大体どのくらいか分かりますでしょうか。

○経営政策部長(間野雅之君)

昨年の12月議会の御答弁させていただいたときには、昨年の10月12日のトップページのページビューの件数は、PC版、そしてスマートフォン版を合わせて4万741件というふうに御答弁したところでございますが、これはトップページのビューの件数ということでございます。
今回、令和元年度10月12日につきましては、16万1,799件のアクセスがありました。これはアクセスということの数字でございます。平時におきましては、令和元年11月と比較いたしますと、平均アクセス数では1日当たり2万6,209件となりますので、大体、約でございますが、6.2倍のアクセス数となっていたところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

先ほどネットワークの待機の契約というものがありましたけれども、10メガで大体、有線が10メガで、通常で3メガから4メガというお話がありましたけれども、これ、単純に言えば、3倍ぐらいは何とかボトルネックを起こさないというふうなのが判断できると思います。
先ほど、いわゆるウェブサーバーへのアクセスの部分だけでいくと6.2倍ということですから、あくまで理論値だけで言いますと、これだけ災害のとき6倍のものがやってきた場合には、ボトルネックは3倍で天井で止まってしまうので、ボトルネックを起こさないとは言いづらい部分が私はあるんじゃないかなというふうに思っていまして、ここに関しては、先ほど副市長がまさにCIOというお話で、まさにこのデジタル行政の中では、こういったCIOのポジションって非常に重要だと思いますので、ぜひともCIOとよくよく御相談されて、最適な、やはり防災も、災害防災もデジタル化でありますので、この辺はよく御検討されていただけたらと思っております。
それでは、3つ目の質問ですけれども、平成14年7月に当市は東村山市情報セキュリティ基本方針、対策基準と実施手順を定めております。仮に情報漏えいした場合の責任者は誰なのかについてお伺いいたします。

○経営政策部長(間野雅之君)

市の情報システムが取り扱う情報には、市民の個人情報、行政運営上の重要な情報など、多数の重要な情報が存在しておりまして、これらの情報資産を取り扱うネットワーク及び様々な脅威からを防御し、外部への漏えいを防ぐことは、市民の財産、そしてプライバシー等を守るためにも、また、事務の安定的な運営のためにも必要不可欠なものでございます。
市では、東村山市情報セキュリティ基本方針、そして東村山市情報セキュリティ対策基準に基づきまして、人的、物理的、そして技術的セキュリティー、運用等について定めておりますことから、情報資産の取扱い並びに情報セキュリティ対策を実施いたしまして、情報漏えい等が生じないよう、適切な管理・運用を行っているところでございます。
しかしながら、仮に万が一、職員の故意や過失によりまして情報漏えい等が起こってしまった場合には、東村山市職員の懲戒処分の措置に関する要領によりまして、懲戒処分の標準的な量定基準に照らし合わせ、度合いに応じまして免職、そして停職、減給、戒告の懲戒処分となりまして、最終的には市長にも責任が及ぶものと認識しているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

最終的に市長が責任者だということは、私もそれは理解できるんですけれども、ただ全てが、市長がなかなか把握するのは現実難しいのかなというふうに思っていまして、先ほどの質問の中で、庁内におけるセキュリティレベルですとか可用性のチェック、アセスメントは、CIOである副市長がしっかりとこの手順の中でリーダーシップを発揮されるという御回答もありましたけれども、やはり、もちろん最終的には市長というのはあるんでしょうけれども、一義的なやはり責任者として、CIOというのは通常であれば、民間であれば社長に並ぶ権限をお持ちのポジションでありますので、この辺に関しては、むしろ権限移譲と申しますか、やはりCIOである副市長のポジションに関しては、しっかりと役割分担をされるのがよいのではないかなというふうな意見を述べさせていただきたいと思います。
それでは、次、4つ目の質問になりますが、第三者がシステムファイルやデスクトップ環境を不用意に変更できないように、個々に機能を制限する機能のことをセキュリティシステムポリシーと呼ぶが、当市はポリシーを定めているのかをお伺いいたします。
また、庁内のシステムを対象に、内部及び外部に対して信頼性が保たれていることや、市政運営に役立てているかなどを評価するシステム監査が必要である。
システム監査に関する市の考え方をお伺いいたします。

○経営政策部長(間野雅之君)

業務で使用しております各種システムやPC端末等につきましては、先ほども申しました東村山市情報セキュリティ基本方針や東村山市情報セキュリティ対策基準等のセキュリティポリシーの定めに基づきまして、管理権限を持つ者以外、システムの設定変更やソフトウエアのインストール等が行えないよう制限しております。
また、情報セキュリティーにつきましては、年2回、全職員が点検表に基づく自己点検を行いまして、所属長へ報告する業務点検を実施しまして、所属長は必要に応じまして改善策を指示するなどの対応を行うこととしておりまして、セキュリティーの確保に努めているところでございます。
また、多摩北部都市広域行政圏協議会の情報推進専門委員会におきましても、情報セキュリティーの相互監査に関する検討を進めておりますので、これらも踏まえまして、引き続き情報セキュリティーの向上に努めていきたいと考えているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

しっかり管理・監査されているということは分かったんですけれども、再質問になりますけれども、参考までにお聞きしたいんですが、例えば庁内でも物理的なエリアというのは分けていらっしゃいますか。例えばこのエリア、何階に関しては、例えばセキュリティーに関してはかなり厳しくやっているので、入れる人は制限するみたいな、そういうエリアの区分みたいなことをされているかどうかお伺いいたします。

○経営政策部長(間野雅之君)

今の御質問はセキュリティエリアの区分という考え方で御答弁させていただきますけれども、市のセキュリティポリシーの定めに基づきまして、セキュリティエリアの区分は行っているところであります。例えば、いきいきプラザ3階の情報発信、管理室、そしてサーバー室、マシン室等については管理区域として位置づけておりまして、ICカードによる入退室管理により、許可された者のみが入退室できることとしております。
また、入退室を許可した者に対しては、入室許可証携行の義務づけとか、退出管理簿による氏名の記録も行うことで、一応セキュリティーの確保はしているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

エリアも含めてしっかり管理していただいているということがよく理解できました。
5番目、CISOもしくはCTOに該当する職員の選任について、市長にお伺いいたします。

○市長(渡部尚君)

まずCISO、最高情報セキュリティ責任者でございますが、当市ではCISOという名称ではございませんが、東村山市電子計算機処理の管理運営に関する規則におきまして、セキュリティ総括管理者を置くことを定めており、副市長がその任についているところでございます。
同規則において、セキュリティ総括管理者は、電子計算機処理及び情報通信ネットワークのセキュリティ対策を総合的に行うこととされておりますので、組織の役員クラスの役職の一つとして、情報セキュリティーを管掌するCISOに近いものであると考えられております。
また、CTO、最高技術責任者につきましては、現時点では当市では選任しておりません。
当市を含め多摩26市でCIO、いわゆる最高情報責任者の役職については、多くの市で副市長が任命されている状況でございます。
一般的に、CIOが情報システム関連業務の責任を負う最高情報責任者であるのに対しまして、CTOは技術関連業務の最高責任者とされておりますが、企業や組織によっては役割が重複することがあるとも言われてございます。
CIOとは別に、より技術的な面に特化した役職を選任する必要があるかということにつきましては、市役所レベルでどうかということについては、今後も研究をしてまいりたいというふうに考えております。
いずれにしましても、組織や役職が形骸化することなく、市のICT化の推進に向けて、実効性のある体制を整えていくことが重要だと認識いたしております。

○4番(鈴木たつお議員)

私も、質問はしておりますけれども、例えばCISOとかCTOとか、細かく分ける必要があるかというと、必ずしもそういう意図で質問しているわけではございません。
やはり組織に合った体制をやっていけばいいというふうに思っております。ただ、これからデジタル行政を本格化する上で、CXOと言われている方は、やはりこの責務が重たくなってくると。
先般、副市長2名体制に対して、私は賛成させていただきました。
やはりそれは、これから渡部市政がデジタルトランスフォーメーションを目指していく、DXを目指す上で、やはりこういったデジタル行政というのはどんどん増えてくると。そういう意味では、この副市長の役割というのはすごく重要になってきて、市長がおっしゃるトロイカ体制をやっていかないと、なかなかスピードは遅れてしまうというふうに私も認識し、賛成をさせていただきました。
そういう意味では、やはりCXOと言われる副市長の役割というのは重要になってくると思いますので、実際どのように任命するかは別にして、この辺のポジションに関しては、しっかりと権限移譲も含めて御検討いただければという意見を述べさせていただきます。
6番、福島県磐梯町において、昨年11月1日、地方自治体として初めて、人に優しいテクノロジーを活用して誰もが自分らしく生きられる共生社会を実現するためにCDOを選任した。
磐梯町以降、東京都、神奈川県等でもCDOを選任している。
当市におけるCDOの必要について、市長に見解、所見をお伺いいたします。

○市長(渡部尚君)

御指摘のCDOにつきましては、まだ自治体で設置されている事例は、さほど多いわけではございませんが、総務省が毎年発行しております情報通信白書において、CDO等の設置による組織改革の必要性が取り上げられるなど、徐々に我々の社会にも浸透しつつあるというふうには認識いたしております。
自治体での初めての事例となりました福島県磐梯町では、少子高齢化が急激に進展する地方において、既存の社会課題を解決し、誰もが自分らしく生きられる共生社会を実現するためには、今までの国の支援に依存した解決法だけでは限界があるとの認識の下、行政、地域のあらゆる部分に、テクノロジーも活用して住民本位のデジタル変革を行っていくことは、重要な町の役割との考えの下、CDOの設置に至ったというふうに伺っております。
こうした考え方は、「私たちのSDGs」を副題とする第5次総合計画により、持続可能なまちづくりを目指そうとしている当市におきまして、大いに共感するところであり、行政や地域のデジタルトランスフォーメーションをどのように進めていくかということを真剣に考えていかなければならない時期を迎えていると、改めて強く感じているところでございます。
このようなことを踏まえまして、先ほど経営政策部長から東村山市情報化推進委員会のことについて言及がありましたけれども、実は昨年度までは、これまで副市長、CIOを頂点として各部長職で構成されていたわけですけれども、これはどちらかというとテクニカルな話というか、運用面が主な話で、セキュリティーの話であるとか、そういうことをメインに今まで進めてきたところですけれども、やはりどの分野をデジタル化していくか、いわゆる政策の方向づけみたいなことも含めて、やはり情報化推進委員会で議論して方向づけをしようということで、今年度から一応、私、市長、それからCIOである副市長、それからCIO以外の副市長も含め、教育長や各部長職による構成へと組織改編をいたしまして、ICT政策の検討を本格的に全庁的に行っていく体制をようやく整えたところでございます。
すぐさまにCDOの設置ということはございませんけれども、デジタルトランスフォーメーション推進に向けた庁内組織体制の在り方なども含めて、広く議論をしてまいりたいと考えております。

○4番(鈴木たつお議員)

私もまだこの役職、勉強しているところではあるのですけれども、やはり何が今までと違っていたかというと、市長も先ほど述べたように、どちらかというと今までのCIOというポジションの方というのはテクニカル重視で、CDOもそうだと思うんですけれども、どちらかというとビジネスサイドのところでよく分からなかった、もしくは行政サイドのことが分からなかった。
恐らく今後重視されるようなポジションというのは、行政のことをよく分かった上で、デジタルというものを重視される、こういう方がこのポジションに登用されるんだろうというふうに思っております。
そういう意味では、今回、副市長が担当されていらっしゃいますけれども、私自身は適任だと思っていますが、先ほどから何度も述べているように、やはり市長と副市長の役割と、この権限移譲がしっかりされないと、それこそ名前だけのポジションに終わってしまう。
これがやはり私の最大の懸念でありますので、この辺は先ほど市長も述べられたように、第5次総合計画の中で議論を深めていくようなお話がありましたけれども、ぜひともその辺のところは深めていただきたいというふうに思っております。
それでは、最後の質問になりますが、システム企画は行政でも重要な位置づけと考えております。
システムは、運用と企画は先行き分離させ、来るべき情報化社会に向けて対応できる新設部門を検討すべきと考えております。
今後、IT全般のグランドデザインを行うことや、部門創設もしくはチームを発足させることについて提案したいと思いますが、市長の所見をお伺いいたします。

○市長(渡部尚君)

御案内のとおり、人口減少や少子高齢化が進行する中で、厳しい財政状況の下、限られた人材や財源などを有効活用していくため、そして持続可能な社会の構築のためにも、自治体におきましてもデータ駆動型社会への転換、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの大きな潮流に乗っていかなければならないという、まさに時代の転換期にあるというふうに強く認識をいたしております。
特に、今回のこのコロナ禍、先がまだ見えていない、どういう形で終息するのか分かりませんけれども、この新型コロナ感染症の拡大ということが、恐らく全世界的にデジタルトランスフォーメーションの大きな流れをさらに加速することは間違いないことだというふうに考えているところでございます。
当市でも平成30年度より、民間団体でございますが、日本PFI・PPP協会が主催しますスマートシティ研究会に参加をさせていただいて、様々な先進的な取組をしている自治体や民間事業者の方々との意見交換等を通じまして、自治体のスマート化について知見を深めてきておりまして、情報政策部門の重要性についても十分認識をしているつもりでございます。
現状の組織についても、一応そういうことも念頭に置いて「情報政策課」という名称にいたしているところでございますが、一方で、現実の業務としましては、膨大な契約、支払いの事務だとか、各システムやPC等の保守や運用に、情報政策課の職員の多くの時間が割かれておりまして、率直に申し上げて、全体のシステムのグランドデザインをしたり、企画をしたり、ICT政策の立案まで、なかなか注力する時間が足りていない状況であることも否めないところであると認識いたしております。
今後の施策展開においては、情報政策の推進は、新しい時代へ当市が生き残れるか。
まさに生き残りをかけた分水嶺であると強く認識をいたしておりますので、組織については、全体の定数の中でどういうふうに人材を生み出していくかという課題があります。
当市の場合は、どうしても退職手当債の発行、これを償還するまでの間は、基本的には定員を増やすことができない状況にありますし、この情報セクションだけではなくて、いろいろなセクションがかなり、やはり人数が、やはり強化をしていかなければ、これから先に進めないのではないかと思われるようなところもありますので、今後の第5次の執行体制、全庁的な執行体制、組織の在り方、それから職員、定員の配分ですね、それらも勘案し、また、やはり全部自前では、すぐにはなかなかこのICT化の部分は進めていけませんので、一定程度やはり知見を有する外部の方に、いろいろ指導・助言を得ながらでも、スマートシティへ向けた取組をさらに企画立案、それから執行・運用というところをしっかりやれるような体制を、構築を目指して、今年度、来年度から第5次総合計画がスタートするわけですけれども、そこに向けて庁内での英知を結集していきたいと考えております。

○4番(鈴木たつお議員)

今回の一般質問でも、多くの議員からこのICTに係る質問等々があったと思います。逆に言うと、それだけこのICTが行政の中で重要な位置づけになっているというのは、先ほどから市長も述べられているとおりだと思うんですが、その中で課題として、この人材をどうするかというお話がありましたけれども、そもそも、ちょっと古くさい話をすると、市役所もそうだったと思いますが、これは民間であれ役所であれ、昔は、もともとシステムというのは電算部というところからスタートして、ほとんどサーバーのお守りみたいなところからやって、運用が中心であったと。
ここからシステム部みたいのができて、これはどちらかというと、システムを設計していくところが始まって、今いよいよ我々の世代になって何が起きているかというと、ほとんどがもう行政の経営に近いところ、政策を立案していくという新しいフェーズに入ったというふうに理解しています。
そういう意味では、先ほどから市長が述べられているとおり、一方で、運用に近い部分での人員が必要であるというのは、私もそのとおりで、大体そこも想像できます。
ただここに関しては、来るべき、市長がおっしゃっているDXを本格的にスタートさせるのであれば、それこそ人材的な投資ということで、内部外部も含めてしっかりとしたチーム編成というのが必要だと思っておりまして、これはむしろ、先ほどから市長が、第5次総合計画の中でも触れたいというところは非常に心強いところであるのですけれども、ずばりチームなり組織を創設するというところまで踏み込むお考えに関して、お伺いしたいと思っております。

○市長(渡部尚君)

まだ新部門組織を立ち上げるか否かということについては、具体的には庁内での議論は進めておりません。先ほども申し上げたように、来年度に向けて第5次総合計画の執行体制をどうしていくかということについては、これから下期で、経営会議等で、副市長、教育長、そして部長級と、そこは議論をしていく必要があるかなというふうに考えておりますので、部の体制も現状のままになるかどうか。やはりもう少しここには強化体制をしかなければならないということになれば、1つの部を2つに分けたりとかということもあり得ますし、課を分ける場合もあれば、統合する場合もあり得ると。
いずれにしても、組織のための組織ではなくて、きちんと政策目標を達成するために、効率的な執行体制をどう組んでいくかということが一番重要なことになろうかと思っています。
特にこの第5次総合計画の前半の前期5か年の中では、先ほど来申し上げたように、新型コロナウイルスの感染症の終息が、いつまでどういう形で続くのかが見通せないわけで、やはり中心的な市政の課題の大きな一つが、DXをどこまで進められるかということにつながってくると思っています。
それは当然、庁内の事務処理を効率化していくということだけではなくて、この間も議員の皆さんから御指導いただいているように、様々な市民の皆さんの事務手続等をいかに効率化して、感染リスクを下げていくかということもあります。
それからもう一つは、やはり様々なセンシングとうまく組み合わせた中で、「Society5.0」に向けての足がかりをつけて、市内の中で、市民の様々な行動、移動だとか、あるいはお買物だとか、そういった個人情報に抵触しない範囲で情報を集めて、それを新たなサービス展開に生かしたり、あるいは、それを新たな経済的な価値に置き換えることによっていくということも考えていかなければならないわけで、いずれにしても、新しいチームをつくるかどうかということもありますが、どこでどういう形でグランドデザインを描いて立案をしていくのか。
それについても、やはり高度な専門的な知識やスキルも必要になってまいりますので、どういう人材を充てていくのが非常に今求められるのか、その辺は十分検討しながら、来年度に向けて体制をつくっていきたいと考えているところでございます。

○4番(鈴木たつお議員)

御丁寧にありがとうございます。
これは質問でなくて、単純に意見として述べさせていただきたいのですが、先ほどから市長が、公民連携の中で市民のトランザクションデータというものが民間で活用できる。
つまり分かりやすく言うと、これはお金になるということを述べられていると思うのですが、そういったところに目をつけられているのはさすがだなと、私は改めて市長のお考えを理解したところでありますけれども、ただ、まさに、こういったデータをどこまで公民連携の中で出していくのか、こういったことをしっかりと政策として判断していくのが、まさにCXOの立場になってくるわけであって、これは単に技術を知っている人間がやるようなポジションではなくて、まさに行政をよく知っている方が、DXをどう実現するのかという大きなグランドデザインを考えていかなくてはいけない。
そういう意味では、再三申し上げたとおり、副市長がCXOになるのであれば、そのトロイカ体制の中で、まず第5次総合計画、これから10年というものをどういう体制でやっていくのかということは、ぜひとも御検討いただき、そして、仮に新設部門ができるのであれば、恐らく庁内には若手の優秀な方もいっぱいいらっしゃると思いますので、それは公募でできるのかどうか分かりませんけれども、多くの人材を登用できるような、こういう御検討を庁内でぜひともお願いしたいと思います。
以上で私の質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。

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